vol.8

Facebook Twitter

鈴野麻衣作品展 草花たちの小旅行

自然体の個性 

2014.11.18

  • Photo by Hideki Yamaguchi
  • Text by Kozue Furutani

最後に見る人を意識して描く
今も、自分の作品制作だけではなく、クライアントから依頼を受けてイラストを描くこともあります。「お題」をもらってそれをカタチにすることが好きなので、自分の作品を作る時と同じくらい、クライアントワークも楽しんでやっています。作品を作る時は展示会に向けて描き溜めていくことが多いのですが、普段でも「描きたい」と思ったものがみつかればペンを取っています。展示会用に作品を作る時は自分が「キレイ」「かわいい」と心を動かされたものを、見た人にも疑似体験してもらえるように描いています。自分の作品を作るときもそうなのですが、クライアントワークの時は得に「最後に見る人の心」を意識して制作しています。「人の心」ってとても不確かなものですよね。そういう不確かなものに対峙しているということはいつも意識しています。
3
「馴染んだツール」から生み出される作品たち
作品の制作には特別な画材を使ったりはしていないんですよ。事務で使うような水性ボールペンで線を引いて、透明水彩、色鉛筆を上に重ねて描いています。Gペンとか、高い画材も使ってみたんですが、あんまりしっくりこなかったですね。展示会中も、作業台で実際にイラストを描いていました。一年の12ヶ月を1月から12月まで1枚ずつイラストに起こした作品があるんですが、展示しているのは線画のままで、展示会中に色を付けています。
「野の花」をテーマにイラストを何点か描き起こして、それがパターンになって洋服になった作品もあります。「自分の作品が洋服になる」というのがはじめてて、イラストレーターだけでは完結しないお仕事だったので、とても思い入れの深い作品です。

自然に、そのままの個性

小澤俊夫さんという昔話の研究をされている方がいて、その方が「形式意思」について話されている有名なお話があります。小澤さんのお家に植木屋さんが来た時、誤ってもみの木をバッサリ切ってしまったそう。しばらくそのままにして観察していると、切ったところから円錐形の幹が生えてきたそうです。生きているものは「こうありたい」というカタチがあらかじめプログラミングされていて、「心地良い」と本能的に思える姿があるというお話です。そのお話を聞いた時にすごく共感でき、「なんとなく好きな色」「よくわからないけど嫌いな色」とか人それぞれありますよね。こういう仕事をしていると、「自分の個性をださなきゃいけない」という瞬間がありますが、無理やり取りに行った個性ってしっくりこないんです。自分から無理に取りに行かなくても、自分の中にもともとある個性を大切にしたいなと考えながら絵を描いています。
2

「個性」という言葉を聞くと、強くて派手で圧倒的で・・・と、「自然」とは対極にあるようにイメージしてしまいますが、鈴野さんの個性はそのままの鈴野さん。めぐりめぐる季節のように、また会いたくなってしまう鈴野さんの作品たちも、きっと再びSPACE8に訪れてくれることでしょう。

SPACE8オンラインショップでは、
鈴野麻衣さんの作品を販売中です。
(ポスター、絵はがきセットなど)
商品一覧はこちら>>

Back Numberbuck number一覧

vol1
  • vol.9
  • POP/LIFE  日本にポップは無かった。
  • 宇治野 宗輝
詳細はこちら
vol1
  • vol.8
  • 自然体の個性 
詳細はこちら
vol1
  • vol.7
  • 捨てられるモノ、生き返らせるモノ
詳細はこちら
vol1
  • vol.6
  • KAWAIIの源流、高橋真琴の足跡を探る
  • 高橋 真琴
詳細はこちら

スケジュールスケジュール一覧

MUSABI REUNION
  • 2016年3月4日(金)~3月13日(日)
  • MUSABI REUNION
  • 武蔵野美術大学卒業生 再会 そしてこれから

開催終了

詳細はこちら
白柳 花子 ちりめん細工 端綺麗 HaKirei
  • 2016年2月26日(金)~2月29日(月)
  • 白柳 花子 ちりめん細工 端綺麗 HaKirei

開催終了

詳細はこちら
シマダテツヤ展
  • 2016年2月13日(土)~2月14日(日)
  • シマダテツヤ展
  • Tetsuya Shimada Exhibition

開催終了

詳細はこちら